突然ですが、私は5,6年前から難聴と診断され、軽度難聴を経て現在は中度難聴と診断されています。
今回は中度難聴の私が、実際に生活やお仕事に支障が出来るのか、日常生活はどんな感じか、聞こえ方はどんな感じなのか?を解説していきたいと思います。
軽度~中度難聴の方は「話を聞いていない」「話を聞く気がない」と言われてしまう事がありますが、この記事で少しでも理解を深めて頂けたら嬉しいです。
もくじ
中度難聴とは?
聴力検診の結果によって難聴の度合いが分かれます。聴力レベルはdB(デジベル)という数値で表され、25dB以上だと難聴のくくりに入ってきます。
難聴の度合い | 聴力レベル | 聞こえの具合 |
通常 | 25dB未満 | |
軽度難聴 | 25dB~40dB | 小さな音や騒音の中での会話が聞こえづらい |
中度難聴 | 40dB~70dB | 普通の大きさで会話をしていても聞き取りにくさがある |
高度難聴 | 70dB~90dB | 大きい声か補聴器をしないと会話が聞こえない |
重度難聴 | 90dB以上 |
3年程前はは30後半だったdB数がここ1,2年で40dBオーバーに。今は両耳平均が50dB前後です。
難聴の種類-感音性と伝音性
難聴には大きく分けて2種類あります。感音性難聴と伝音性難聴です。
簡単に説明すると外耳、中耳の音を拾う部分がうまく機能出来ないのが伝音性、内耳の部分の障害が感音性難聴になります。
伝音性難聴は補聴器が有効だったり、治療が可能なのに対し、感音性難聴は現時点で明確な治療方法がないと言われています。

中度難聴の聞こえ方
冒頭でもお話した通り、悲しいことに軽度難聴や中度難聴の人は
- 話を聞く気がない
- 聞こえないふりをしている
- 適当に聞いている
と思われがちです。でも本当はそんな事ありません。
私も周囲に理解してもらうまでは、同僚や旦那に「えw聞こえないのwまじでw」と小馬鹿にされたり、途中で会話を諦められたりと悔しい想いをしてきました。
では、難聴の人にとっての聞こえ方とはどのようなものでしょうか。ここで難聴ではない人でも分かりやすく、可視化してみた物を御覧ください。
中度難聴を可視化

おわかり頂けますでしょうか。
軽度難聴、中度難聴の聞こえの特徴として「音は聞こえているし、声も聞こえているけど、会話の中の分が虫食い状態になっている」ようなイメージです。
上部の文字はスラスラ読めても、下部の物は非常に読みづらいです。これが難聴の聞こえづらいに非常に似ている表現だと思います。
町中や、周りに他の音がある場合はこんな状況によく陥ります。
特に「さ行」「は行」、「し」と「ち」、「す」と「つ」などは中々違いが分からず聞こえづらいです。
中度難聴の人はどうやって会話は理解するのか
静かな所で滑舌が良い人ならまだ助かるのですが、ガヤガヤしている所や声が通らない方、年配の方と喋ると聞こえづらい時が頻繁にあります。その場合は
- 申し訳ないと思いつつも聞き直す
- 前後の脈略から予想する
この2つで対応しています。
前後の脈絡から予想する時は、会話に1秒前後のタイムラグが生まれるので「間が変」と言われる事もしばしばあります。
中度難聴で日常生活や仕事に支障はないか?
支障がないと言えば嘘になりますが、現時点では大きな支障はありません。
中度難聴での日常生活
旦那や友人は、もう慣れてくれたお蔭で何度聞き返しても答えてくれるので、会話に支障はありません。しかし何点か困る部分はあります。
テレビなどの音が聞こえない
テレビで喋っていることも、半分位わかりません。(何となくは分かるのですが…)しかし音量を上げると近所迷惑になるため、字幕をつけて見るようにしています。
インターホンが聞こえない
自室で何か作業をしているとインターホンはほぼ聞こえません。そのため宅配便を逃す事もしばしば。
インターホンが聞こえる範囲に居る時間帯に指定したり、旦那がいる時に配達してもらうようにしています。
中度難聴での仕事への支障
流石に初対面のクライアントに「私は中度難聴です。」と言う事は出来ないので、仕事の打ち合わせや商談の際は出来るだけ神経を集中させるように意識しています。
以前営業職をしていた頃、重要な商談にはもう一人ついてきてもらい、聞こえない時に伝えてもらうようにもしました。
今でも電話等でクライアントさんと話している際に、何度も聞き返してしまう事があるので、中度難聴でも仕事に支障がないと言えば嘘になります。
あまりにも仕事に支障をきたす場合はバックオフィス業務に移行してもらうなどの必要もあるかと思います。
中度難聴で障害者手帳は貰えるのか
残念ながら中度難聴レベルでは障害者手帳はもらえません。
難聴における障害者手帳の認定項目は
障害者程度、等級判定基準について
2級 両耳の聴力レベルがそれぞれ100dB以上のもの(両耳全ろう)
3級 両耳の聴力レベルが90dB以上のもの(耳介に接しなければ大声語を理解し得ないもの)
4級 1.両耳の聴力レベルが80dB以上のもの(耳介に接しなければ話声語を理解し得ないもの)
2.両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50%以下のもの
6級 1.両耳の聴力レベルが70dB以上のもの(40cm以上の距離で発声された会話語を理解し得ないもの)
2.一側耳の聴力レベルが90dB以上、他側耳の聴力レベルが50dB以上のもの出典:大阪聞こえ補聴器より
となっております。中度難聴の場合、上記には当てはまらないため、障害者手帳を得ることは出来ません。
軽度、中度難聴の方は、生活や仕事に若干の支障を来している物の、健常者として振る舞わなければならない、非常に難しい立ち位置におかれているのです。
中度難聴とは?仕事は出来る?障害者手帳は貰える?まとめ
中度難聴では、会話やテレビが聞こえづらく、何度も聞き返すなど、周りや仕事にも影響を与えてしまいます。
何より聞こえないストレスは想像以上に大きいです。
もし周りに難聴の方がいらっしゃったら、「聞く気がない」などと切り捨てず、面倒かもしれないですが聞き返されたら答えてあげて欲しいです。
私も迷惑を掛けてしまう…と一時は落ち込みましたが、今は「しょうがない!」と割り切り、きちんと会話をするためにも何度も聞き返して相手の話を理解したいと思っています。
進行を止める事は出来ませんし、いつかもっと悪くなってしまう日が来るのかもしれないですが、それでも落ち込まず、今出来る事を一生懸命頑張って行きたいと思います。